よくあるご質問

Q. 断熱材にはどんな種類がありますか?

A. 素材や形状により様々な種類が存在します。

代表的なのがガラス繊維(グラスファイバー)です。ガラスを溶融繊維化した断熱材で、コストパフォーマンスに優れているため最も普及した断熱材です。

耐熱温度が最も高いのがアルミナ繊維(アルミナファイバー)。これはスペースシャトルにも採用されている断熱材です。

軽量かつ柔軟で難燃性に優れた耐炎ファイバーは、ノロや火花に強く、防火カーテンや安全保護服などに利用されます。

その他、シリカ繊維(シリカファイバー)やセラミック繊維(セラミックファイバー)など各特性を備えたマテリアルが存在します。

Q. ガラス繊維の特性は?

A. コストパフォーマンスと汎用性に優れたハイテク素材です。

ガラス繊維はガラスを溶融繊維化した素材です。「軽くて強い」「燃えない」「電気を通しにくい」「薬品に侵されにくい」など、優れた特性を持つハイテク素材として様々な分野で脚光を浴びています。

コストパフォーマンスにも優れているため最も普及した断熱材でもあり、汎用性も高く、マットをはじめ、クロス、テープ、スリーブ、ロープ、ヤーンなど多彩な形状へ加工が可能です。断熱材として、吸音材として、産業分野を問わずご利用いただけます。

Q. ガラス繊維は発ガン性があると聞いたのですが、本当ですか?

A. ガラス繊維によるヒトの発ガン例は皆無です。国際ガン研究機関(IARC)の評価でも安全性が認められています。

通常の取り扱い作業では、ガンをはじめとする呼吸器系の疾病を起こす危険性はまったくありません。また、通常の呼吸では、体内の防御・免疫機能の働きによって、発ガンなどの健康への影響にも心配はありません。

おそらくそのうわさは、1987年にIARC(国際がん研究機関)がガラス長繊維を含む人造鉱物繊維を「ヒトに対して発ガン性がある可能性がある」としてグループ<2B>に分類したことからだろうと推測されます。しかし、この分類は実際にはありえないほどの大量の繊維を動物の肺や体内に直接注入するという実験方法によって導かれたもので、その後に行われた数多くの調査・研究において、人に対する発ガン性を示す可能性が認められないことから、2001年10月にIARCはグラスウールを含む人造鉱物繊維の発ガン性リスクを再評価し、グループ<3>に改正しました。

グループ<3>とは、「ヒトに対する発ガン性については分類できない」という評価で、ウレタンやスチレンなどよりリスクが低いというランクで、ナイロンやお茶などと同レベルの高い安全性が証明されました。これは、事実上グラスウールの国際的な安全宣言と言えます。

硝子繊維協会では、これまでも会員各社の計22事業所及びその従業員を対象に職場環境調査、あるいは数回にわたる「保存胸部X線直接撮影フィルム」の読影調査等を実施してきました。 その結果、昭和30年代初頭に我が国で本格的に硝子繊維製品の製造が開始されて以降、30有余年にわたり製造・加工作業に従事してきた従業員に硝子繊維が原因となる発ガンその他の病症は確認されませんでした。

最も新しい「胸部X線直接撮影フィルム調査」は、平成11年に計18名の産業医により14社22工場の3834名を対象に実施されましたが、その結果石綿暴露に極めて特異的な胸膜病変である胸膜肥厚班(プラーク)の所見者はゼロという結果も出ています。

Agents Classified by the IARC Monographs, Volumes 1–102 (英語)
http://monographs.iarc.fr/ENG/Classification/

Q. ガラス繊維と危険なアスベストとはどこが違うのですか?

A. アスベストとは繊維の構造や発ガン性リスクが違います。

天然の結晶性鉱物繊維であるアスベストは1ミクロン以下の極めて細い繊維の束で、壊れると細く長い繊維に裂けてしまいます。WHO(世界保健機関)の定義によると、肺の内部に吸入される繊維のサイズは直径が3ミクロン以下のため、容易に肺胞にまで到達してしまいます。またアスベストは、体内の免疫機能に対する耐性が強く、排出されずに多年にわたり体内に滞留し、様々な病気を引き起こす原因となります。IARC(国際がん研究機関)は、アスベストを発ガン性物質として最もリスクの高いグループ<1>(ヒトに対して発ガン性がある)に分類し、ニコチン・タール等と同レベルの評価をしています。

一方ガラス繊維の直径は9ミクロンもあり、肺に入り込みにくく、肺に吸入されても体液に溶けて短期間で排出されます。IARCの分類でもグループ<3>(ヒトに対する発ガン性については分類できない)と評価されており、ガラス長繊維の高い安全性が認められています。

グラスウール

折れても太さは変わらず、肺に達しない。

アスベスト(石綿)

細い繊維状に裂け、肺に吸収されやすい。

Q. ガラス繊維を吸っても大丈夫ですか?

A. 問題ありません。たとえ吸ったとしても肺に入り込みにくく、万一 肺に入っても体液に溶けて排出されます。

WHO(世界保健機関)の定義によると、肺の内部に吸収される繊維のサイズは、直径が3ミクロン以下、長さが9ミクロン以下のものです。私たちの目には非常に小さく見えるガラス繊維の粉じんですが、その直径は9ミクロンと太く、また空気中に浮遊する繊維の長さは10ミクロン以上と、とても大きいものです。したがってほとんどの粉じんはすぐに落下し、空気中に長くとどまっていられません。また吸入されても鼻や気管支でほとんど除去されます。ですから、粉じんが体内に吸入される確率は一般的に心配されているほど高くはありません。

しかし、ガラス繊維も一般の粉じんと同じ異物なので、吸入しないにこしたことはありません。特に換気の悪い空間での作業や、動力で切断加工を行う場合には、局所排気装置を取り付けるか、防塵マスクなどの保護具を着用してください。

Q. ガラス繊維に触れるとチクチクしたり痒くなることがありますが…。

A. チクチクは一時的なものです。皮膚に炎症などは起こしません。

チクチクするのは、直径4~8ミクロンの繊維が皮膚にくっついて表面に物理的な刺激をあたえ、一過性のかゆみを感じさせるからです。これはウールのズボンやセーターが素肌に触れるとチクチクするのと同じ現象です。不快な刺激を避けるためには、加工や施工作業の時皮膚をガードする手袋や長袖の着衣、保護メガネや帽子などを着用することをおすすめします。

Q. IARCはどんな機関で何をするところですか?

A. 世界で最も権威のある、発ガン性の評価機関です。

WHO(世界保健機構)の外部組織で、International Agency for Research on Cancer(国際がん研究機関)の略称です。物質や環境がおよぼす発ガン性のリスクについて調査・発表をしています。

IARC(英語)
http://www.iarc.fr/

Q. IARCはどんな評価をするのですか?

A. 発ガン性の高さによって次の5つのグループに分類することで評価をしています。

グループ1

ヒトに対して発ガン性がある(Carcinogenic to humans)
アスベスト、ホルムアルデヒド、カドミウム、アルコール飲料、タバコの喫煙など107要因(※)

グループ2A

ヒトに対して恐らく発ガン性がある(Probably carcinogenic to humans)
紫外線、ディーゼルエンジンの排気ガスなど59要因(※)

グループ2B

ヒトに対して発ガン性がある可能性がある(Possibly carcinogenic to humans)
アセトアルデヒド、ウレタン、スチレン、コーヒー、ガソリンエンジンの排気ガスなど267要因(※)

グループ3

ヒトに対する発ガン性については分類できない(Not classifiable as to its carcinogenicity to humans)
グラスウール、ガラス長繊維(glass filaments)、ロックウール、ナイロン6、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタンフォーム、茶など508要因(※)

グループ4

ヒトに対して恐らく発ガン性がない(Probably not carcinogenic to humans)
カプロラクタム 1要因のみ(※)

グループ4は1品種のみであり、ガラス繊維のグループ3という評価は、事実上安全宣言であると言えます。

Agents Classified by the IARC Monographs, Volumes 1–102 (英語)
http://monographs.iarc.fr/ENG/Classification/

※2011年6月17日現在